2018年のトピックス

国際フレンド会館(IFCAの母体)設立85周年

国際フレンド会館創設者、松本寅一を語る

父は少年時代に“エブラハム・リンカーン”の伝記を読み、その偉大な人物を育てた「アメリカ」と言う国に魅せられました。そして長崎で出会った宣教師スコットとの交わりを通して彼らを生み育てたアメリカの歴史と文化に大きな関心を持つようになりました。幸いメソジスト系ミッションスクール鎮西学院の米国人英語講師グレン・ブルナー(後の米国領事)、米国人宣教師スコット(元鎮西学院院長)とその夫人によって父の語学力は急速に向上して行きました。同時にそこでキリスト教による人格形成の影響を受けました。

大正15年(1926年)、多くの先輩や友人に助けられ、見守られながら待望の米国へ留学する為、横浜を出港したのでした。ちょうど父がイリノイ州エバンストンにあるノースウェスタン大学院に在学中、秘書として尾崎行雄(元東京市長、衆議院議員)に同行する機会が与えられました。その時先生に“松本君、日本に帰って日米親善のために働いたらどうか”と言われました。その頃日本に留学している外国人学生のために役立ちたいと考え始めておりました。6年余の留学生活にピリオドを打ち、留学生会館設立の青写真を持って帰国しました。

帰国後は設立のために日夜奔走しました。学生時代から親身になって下さった郷土の先輩である浜田彪(元三菱重工業会長)や田川大吉郎(元東京市助役、明治学院院長)の多大な援助と指導により、1933年10月渋谷区西原に「国際フレンド会館」を設立するに至りました。その運営はなかなか困難を伴いました。アメリカをはじめ数十カ国からの留学生の世話をしておりました。やがて第二次世界大戦に突入し、国際親善に対する国民の理解も少なく、ついに1944年“国際フレンド会館”の閉鎖を余儀なくされました。

その後、父松本寅一の理想とした世界平和と国際親善を目的としたIFCAが次女松本道子によって1974年6月に設立されました。

(松本寅一の長女、保々敬子)

1933年10月に開設された国際フレンド会館(1966年10月火災のため全焼、現在はIFCA会館として再建されている)

昭和11年(1936年)二・二六事件の直後、国際フレンド会館正面玄関前にて
前列左から佐々木久二氏(当時帝国議会議員)、尾崎行雄氏、田川大吉郎氏、松本テフ
後列左から松本寅一、佐々木清香夫人、田川直夫人

国際フレンド会館設立者、松本寅一著書“生活の旗”復刻版昨年出版される!

松本寅一「生活の旗」の復刻に当たって

一昨年九月に松本崇氏(前大村市長)が逝去された。私にとっては掛け替えのない友人で有り、又大村市発展に尽力された、偉大な政治家であった氏の一年祭が終わり、私の喪失感は募るばかりであった。その頃生活の旗に出会ったのだ。崇氏の父君、寅一氏は24~25歳で、日本という国と米国に理解して貰うべく単身渡米した彼の情熱、高い志また、人に対する感謝の念。当時現在を含め、私の周りにはいただろうかと思うと、寅一氏の偉大さを感じその思いが、脈々と次世代に受け継がれていることを思い知らされ、この書を残すべく復刻版を思い立った次第です。今の私があるのは松本崇氏に依るものに他ならない。この書が誰かの目に触れ自分自身を見つめ直す手助けになれば幸いだと思っている。

副島正則(長崎県大村市在住、会社役員)

シスター今田からのメッセージ

IFCAからハイチ共和国へ支援

85周年を迎えられた国際フレンド会館感慨深いものがおありのことと思います。おめでとうございます! 天国のお父様もきっとお喜びのことでしょう。私も危険を冒してまでハイチの人々のために尽くして下さった松本様を決して忘れる事は出来ません。その節は本当にありがとうございました。

クリストロア宣教修道女会、シスター

IFCAで講演中のシスター今田(1982年5月)

1989年8月ハイチ訪問時の松本代表(シスター今田撮影)

KWCへの図書寄付

創設者の遺言により亡くなったその年(1979年)以来38年間毎年彼の母校であるケンタッキー・ウエスレアン大学に“松本寅一記念図書”と銘打って日本に関する書籍を送り続けている。これら書物を通して、今後も大学の学生はじめ教職員の皆さんが日本をそして日本人を理解してくれれば幸いです。

(IFCA代表、松本道子)

Dear Ms. Matsumoto,

Greetings from the library at Kentucky Wesleyan! We were pleased to receive your recent check for the Toraichi Matsumoto Memorial Library. Thank you so much for your continued support and generosity. We have begun making our selections, focusing on updating and adding to the Japanese reference books in the collection.

I hope all is going well for you and your school so far in 2017. I know how much you enjoy working with the foreign students and the Japanese sthudents learning English. We are grateful for the opportunity you provide our students to gain a better understanding of Japanese life and culture through the Toraichi Matsumoto Memorial Library. The collection is a valued source of information and insight.

With many thanks and best wishes.

Pat McFarling

Director of Library and Academic Information Services